丸又物語

始まりは塩づくりから

丸又蒲鉾の歴史は、先祖が福島県いわき市の薄磯海岸の海水で塩づくりしたことに始まります。

小さな町の小さな蒲鉾屋誕生

薄磯はかつて小さな漁村でした。塩屋崎灯台の下には今でも港があり当時は沢山の小舟が並んだそうです。そこで『地元の新鮮な魚を使っておいしい蒲鉾をつくりたい』 先祖のそんな想いから丸又蒲鉾は誕生しました。小さな町の小さな蒲鉾屋でしたが、おいしい蒲鉾をづくりを目指し、先々代は先代を愛知県へ蒲鉾づくりの修行に送るのです。時間をかけて現在の丸又蒲鉾の味が造られているのです。

料亭の味としてこだわりと誇り

福島県いわき市はかつて「板かまぼこ」の生産量日本一になったことがあるほどの一大蒲鉾生産地でした。常磐ものと言われる上質な水産物を生かして多くの水産関係企業が立地し、中でも私たちの拠点である薄磯地区は蒲鉾通りと呼ばれるほどかまぼこ屋が立ち並ぶ地域でした。そんななかで丸又蒲鉾は大手の料亭でも採用されるなど、こだわりの味が認められる格別な存在になっていきました。

二〇十一年三月十一日

東日本大震災…沿岸部を襲った大津波により甚大な被害を受け、工場・社屋・従業員を失い、生産できない日々が続き取引先も激減しました。家族と地域全体は呆然と悲しみに暮れました。しかしそれは先代の職人魂を目覚めさせることにもなりました。「悲しんでばかりでは仕方がない!私たちの蒲鉾を待っている人に届けたい」「地場産業の灯を途絶えさせてはならない」という想いで社員が一丸となって丸又蒲鉾の再建に立ち上がりました。

新工場の完成新たな出発

震災から1年半後の2012年9月に本社工場を新築し、本格的に操業を再開。従業員の7割が女性。女性が活躍する職場から「丸又蒲鉾をもう一度全国に広めたい」「蒲鉾で家族の食卓を笑顔にしたい」そんな想いを込めて、毎日福島県のいわき市でひたすら蒲鉾づくりと向きあう毎日です。